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​海外旅行の記録

あこさんの

2022/05/19

執筆者の写真: あこさんあこさん

今回、あんま美術館行かなかったなぁ…。

正直、ナショナル・ギャラリーで萎えちゃったんですよね。


日本に居ると、各国から企画展で名画がじゃかじゃか来るじゃないですか。あぁ言うの見ちゃうと、一堂に会して無い弱さ…みたいなのが解っちゃうと言うか。いや。解ってます。そうじゃないってことわ。本物が必ずその国にある幸せ。これ、ほんと凄いことだと思うんですよ。見たい時に見れる幸せって、こんな贅沢なこと無いですよ?だから鳥取のウォーホールの買い付けは私は支持しますw。

ただ。常設展を見て、突出して素晴らしいのを何点か見て、そのほかはあんま大したことないやつ見る……これがね。なんかね。……いや。贅沢病ってのは解ってるんですがね。

この日はロイヤルアカデミー・アーツに行きました。

ホテル出る時、トイレ行けば良かったんだけど、特に行かないで出ちゃったんでロイヤルアカデミー・アーツに着いてすぐに行ったのはトイレw。いや。行って良かったわw。

普通のトイレなんですけどねw。センス良いいたずら描きがほどよく鏡にしてあって。こういうの見るとバンクシーを生んだ街って感じしますよね。それでいて建物自体は歴史的な重厚感漂う感じとかさ。それはナショナル・ギャラリー見た時も思ったんだよな。この空間的な空気感や意匠は負けるよなぁ…と。Momaとかホイットニー美術館とか近代的で面白い美術館あれども、歴史には負けるわ。

ただ、こういうの見るにつけ……。てか、多分、建物的に一番似合う彫刻ってこの手のやつだと思うんだけど、なんかだめね。美大出あるあるって言うか、デッサンのモチーフにしか見えない病。Thomas Banks ……かな……。作者見れば良かったな。セントポールもウェストミンスターも彫刻凄いから、歴史の背景と共にある意匠はぐうの音も出ないんだけど(日本の彫刻技術が仏教と結びついてるのと同じ感じ)、こういう写実主義の彫刻は歴史と結びつくのであれば、今はどんどん廃れゆく物なんだろうなぁ…とか思っちゃうのよ。


データスキャンすりゃいいし……とか言う気持ちもあったりなんかして。ははは。(;^ω^)


一方でそういう技術が無かった頃に、あれだけ巨大で細部にまでこだわって更に面積?数?そういうのまで考えるとさ。気がおかしい(おい)としか言いようが無い、野心や歴史的背景があったわけで…………って全然ロイヤルアカデミーアーツと関係無いなw。

ロイヤルアカデミアーツって、ようはイギリスの美大のトップオブトップで日本で言うところの芸大に近い。教育機関なんですよね。だから、美術作品は結構なんでも飾ってある。企画展とかあるとめっちゃいろいろ飾ってある。

Selfridgesのショーウィンドウに通じるような可愛さはあるし、こういうのはエンタメの美術とかに使われたら最高に効果的なのよねぇ……って芸大の人をそちらの道へ引っ張るってことを考えると、めっちゃ考えちゃうけどの。(;^ω^)


で。アカデミーオブアーツで企画展をやってたんですよ。

それも何の企画展だと思います?なんと日本画w。偶然だわ。

河鍋暁斎って人の日本画展でした。知らん。(;^ω^) 勉強不足で申し訳ないわ。これがねぇ。かあいい日本画でして…。

日本人ってなんで動物描くの好きなんだろうねぇ。流れは鳥獣戯画から始まったとは思うんだけど。お伽のジャンル良いですよねぇ。私大好きです。日本人の「可愛い好き」はこういう所にも表れてると思うんですよね…。あと、日本人がアニメーションを描くのが上手い歴史ってのもこういう所からあると思うんですよ。動きの中の一部を切り取るのがほんと上手い。写真の無い時代(あ。暁斎は江戸末期から明治初期の人だから、写真が無い…って訳ではないですが。)カラスの絵とかこの一瞬を切り取る目は凄いですよ。狩野派の一派なんだそうで、自然を描画する所から野生の動物を描くことを学んだんですかねぇ…。

こういう所でナショナリズムを出すのはなんなんですが、結構な来客数でして、こういうお伽の歴史や動きを捉える日本の文化が他国の方々に知ってもらえるのって素直に嬉しかったですw。


さて。この日は観光的にはアカデミーオブアーツしか見なかったんですけど。

なんでサムネイルを「The Burnt City」にしたかと言うと、この日が最後のTBCだったんですよ。

計9回(前8回って書きましたがこれを書くにあたって数えなおしたら9回でした。(;^ω^))。何度も何度も通ったTBCでしたが、飽きずに通えました。いえ。飽きる所か、今、また行きたくてたまりません。ってか。また行きます。はい。多分。2月に。


ここまであまりネタバレしないで書いて来ましたが、少しネタバレ含む、ラストの日に味わった思い出をここに残そうと思います。Twitterには書いたんだけどねw。

TBCは同時間帯に2つ(バーのエンドをエンドと考えるのであれば3つ)のエンドが進行します。そのうち、最終日の私はミケーネ側ギリシャ軍の野営地でエンドを体験しました。会場内で一番広い空間で展開され、トロイのエンドに比べると参加する人数も多いエンドです。その広場は吹き抜けの広場なので、2階からも見えますが最終日は1階から…それもダンサーたちに混じるような形で観ました。

エンドをむかえるまでは、ダンサーそれぞれがキャラクターを演じているのですが、このエンドだけは意味合いが違うと言うか…。人々の魂がどろどろと溶け合い、一つになり、そしてまた新しい命に向かって昇華してゆく。そんな感じのダンスです。このダンスを終えるとダンサーは傍にいるアノニマスの手を取り、出口へ向かいます。そしてアノニマスの仮面を取り、優しいハグをして別れる。ダンサーの人数はもちろん、アノニマスの人数より少ないので選ばれないとぞろぞろ亡者のように出口へ向かうことになります。

今まではまぁ、観ていた場所も悪くてダンサーに選ばれることはありませんでした。

でも。最終日だったし、是非ダンサーに選ばれたかった…。実は私、お気に入りのキャラクターが居て、その人に選ばれたかったんですが上手くいかずw(ダンスのラスト、彼の傍に居ることが出来なかったんです。)、「あーあ…。これで終わりか…。」ととぼとぼ出口へ向かっていました。

そこへ、にこやかな笑顔を向けてくれたダンサーが居た。

あぁ!私のかわいいかわいい花嫁さん!(……って私、一切、フォローしてないんですが……(;^ω^)) 劇中、お父さんであるアガメムノンに殺されてしまうイピゲネイアをやった女性が私へ手を伸ばし、微笑みかけているではないですか!「え?私?」まわりをキョロキョロ見ても他に誰も居なかったんだけど自分を指さしてみる。

こくんと小さく頷くイピゲネイア。いやーん。私、もうダメでしたw。ここで号泣。

ありがとうありがとう!私を選んでくれて!仮面の下はもう、汗と涙でぐじゃぐじゃ。9回来ても一回も選ばれなかったのに、最後の最後で選んでくれるなんて!仮面をはずしたら、泣きじゃくってるおばはんが現れて、イピゲネイアもびっくりしたろうにw。

「今日で最後なのー!ほんと素晴らしいショーをありがとう!忘れないよ。」

そう小さな声で伝えたら、にっこりと頷いて握手。そして、ぎゅーーーーっと優しいハグ。感動の最後でした。いやぁ。SNMの時も、連日SNMに通ってラストに限って思い出作るようなことがあったり、なんか私、自分で暗示かけてるのかもしれないんですがw、ほんとパンチドランクの作品はラストに何かが起こるんですよねぇ。こうして私はまたパンチドランク中毒患者への道を歩んでゆくのですよ。

Sharol Mackenzieさん!私、忘れません。あなたとのラスト。いつか。いつの日かまたお会いしましょうね…。


実は運営さんとも素敵な(?粋な?)ラストがありました。

SNMではアノニマスに配られたマスクはそのままもらえたんですが、TBCではラストこの仮面、回収されます。ま。以前のマスクよりも材質的に良い物使ってそうだし、メガネをかけてもマスクが被れるように工夫が施されていて、コストがかかっているんだと思います。ただ、この日はラストだったので、回収してるお姉さんに「今日がラストの日なの。お土産として一つ持って帰っちゃダメかしら?」って聞いたんです。

即答で「NO!」って言われちゃいました。(;^ω^)

やっぱりダメか…。肩を落としていたら、そのお姉さんが「私はダメとしか言えないけれど、もしあなたがそのマスクをこっそり隠して帰っても誰も気が付かないわよ!」と言ってウィンク。Σ(゚∀゚ノ)ノキャー――――!なんてことΣ(゚∀゚ノ)ノキャー――――!

お姉さんのお言葉に甘えて、その日のマスクはこっそり持って帰って来てました。今、作業しているPCのそばのスタンドに飾ってあります。ほんとに良い思い出です。いいよーって簡単にもらえるよりもずっとずっと心に残る出来事でしたw。


あれから半年。今年の2月にロンドン、また行こうと計画中です。

秋に入口に豪華なバーが出来たそうですし、入場方法もかなり変わっているようです。私が体験した当初の入場方法も結構良かったですけどね。初回はとっても感動的でした。特にトロイへの入場は……。他に内部もいろいろ進化してることを祈って。

ロングランしませんかねぇ?4月以降の延長はまだ発表になっていません。永久にロングランしてくれても良くってよwww。


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